「日の名残り」

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

「わたしを離さないで」に感動し、もっとカズオ・イシグロ作品を読もうと思いつつ、今になってしまった。
「わたしを・・」は設定が衝撃的だったが、この作品は淡々と過去を回顧する語り口の中、じわじわ切なさが湧く。
人物のこころのひだの描き方はやはり秀逸と思う。

失われゆく伝統的なグレイトブリテン
気品高い名家とその屋敷に忠誠をつくし、執事としてプライベートを捨て、哲学をもって生きた主人公。
戦前戦後、その雇主の興亡。
日の名残りというタイトルもじんわりくるな。

3連休、何もせずに過ぎてしまいそうだったが、本が読めてよかった〜。