松井冬子展 世界中の子と友達になれる

次女の入学手続きをすませ、その後横浜美術館へ。
創作や研究によって発症を免れる人がいるときくが、彼女もそのひとりなのではないかと思われる。
はじめ・・・暴力、喪失、トラウマ、抑圧などが彼女の創作の底辺にある、こんなに世界を否定的に視れるものなの?って思っていたのだけど、次第にそれって違うなって・・。芸大卒業制作作品で展示会のサブタイトルでもある「世界中の子と友達になれる」ということば。これは彼女が幼少期に実際に感じた全能的な感覚であり、それが不可能であり妄想であるとの気づきから、彼女にとって狂気と希望の混じる大切なことばとなったらしく、そういったことからも、彼女と彼女の作品が生まれる物語は、世界への無垢で、絶対的な肯定が起源のだろうな、と思ったりもしたのであった。人々はたいてい世界を防衛的なフィルターで包み隠して視て感じているんだろうけど、彼女はそのまま瞬きもせず、全裸で対峙してしまってるのかなって、普通の人のイマジネーションの代替として、彼女の創作があるのだろうな、なんて考えたり・・・。
この「世界中の子と友達になれる」は本当に美しくてしばらくその場を離れられなかった。
日本画の一筆一筆、繊細な線を重ねていく技法も、執着的でいい。
松井冬子さんは超・美貌の人なのだけど、そうでなければ彼女の産み出す世界観って成立しないような気もしたり、とりまくものがすごく美的な気がして、とてもとても興味深い。


美術手帖 2012年 02月号

美術手帖 2012年 02月号

対談など、読みごたえあり。







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